交通事故におけるむち打ち症(外傷性頸部症候群)

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交通事故におけるむち打ち症(外傷性頚部症候群)

むち打ち症とは

むち打ち症とは、自動車の追突、衝突などの人身事故により、頚部(首)が衝撃を受けることで首振り現象が起こり、筋肉や靭帯、関節包などを損傷する症状のことを言います。

むち打ちという名称は俗称であり、正確な病名は外傷性頸部症候群(traumatic cervical syndrome, TCS)、若しくは頚椎捻挫と言います。

多くの場合、後頭骨を支える第一頚椎が後方からの衝撃を受け、損傷することで起こります。


事故直後から症状が発症することが一般的ですが、約20%は事故後12時間程度経過した後に症状が現れます。遅くとも交通事故から10日前後で症状が発症します。

そのため、交通事故直後に症状が発症した場合はもちろん、事故直後に痛みを感じることが無い場合でも必ず整形外科、医療機関を受診して下さい。

そのまま放置することで回復が遅れるケースもあるため、出来る限り早めに受診することをおすすめします。

むち打ちの症状は、頚部の痛みや視力障害・頭痛・肩こり・手のしびれ・めまい・顎関節の障害・首や肩の運動制限などを引き起こします。


むち打ちの種類

むち打ちは、症状や損傷箇所により以下の通りに分類されます。


頚椎捻挫型

むちうち症と診断される症状の、約80%がこの頚椎捻挫型に該当すると言われています。

X線などで検査をしても頚椎に異常が無い場合が多いですが、頚椎の骨と骨の間にある関節包や、頚部を支える靭帯・筋肉を損傷し、頚椎周囲の運動制限、運動痛が主な症状です。


頚椎神経根型

脊髄から枝分かれする末梢神経(運動神経と知覚神経)の一番根元の部分を神経根と言います。

手足のしびれ、麻痺、だるさ、反射の異常などが生じ、頚椎を後方へ反らせると強い痛みを伴います。


バレー・ルー(バレリュー)症候群

頚部交感神経の過緊張により、椎骨動脈の痙縮を起こしている状態をいいます。

交通事故の衝撃で自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れ発症すると考えられています。

名称は、20世紀初頭のフランスで、神経医Barréとその門下のLiéouが発見し報告したことに由来します。

症状は、内耳の症状(めまい、耳鳴り)、目の症状(眼精疲労)、心臓の症状、咽喉、頭部など。


低髄液圧症候群

低髄液圧症候群とは、脳脊髄を満たしている脳脊髄液が追突などの衝撃により、硬膜に亀裂が生じることで漏出し、髄液圧が低下することで現れる症状のことを言います。

日本では、頸椎捻挫の後遺症として症状を訴える交通事故の被害者が多いことから、精神的な原因があると言われていました。

症状は、慢性的な頭痛、頚部痛、めまい、嘔気、視力障害、倦怠、集中力・思考力・記憶力低下など



むち打ちで被害者になった場合に請求できるお金

交通事故によりむち打ち症になった場合に、加害者に対して請求できるお金は以下の通りです。


治療費治療にかかったお金のこと。
※被害者が立て替える場合は、必ず領収書を保管しておきましょう。
通院費通院にかかったお金のこと。
 ※基本的には公共交通機関を利用した際の料金。タクシーや自家用車でも認められる場合があります。
入院雑費日用雑貨品や電話代、テレビカード代、家族の通院交通費など、入院時に必要となったお金。 ※裁判上では、1日あたり1400円~1600円程でほぼ定額化されています。
文書料交通事故証明書取得費用、後遺障害診断書料等は、後遺障害等級が認定された場合に文書料として認められます。
休業損害交通事故による休業がなかった場合に得ることができたはずの収入・利益を損害として賠償請求することができます。
傷害慰謝料(入通院慰謝料)入院や通院によって被る精神的苦痛に対する慰謝料のこと。算定方法は治療期間・入院期間・通院日数等が関連します。
後遺障害慰謝料後遺障害認定された時にのみ支払われる慰謝料のこと。慰謝料の金額は等級によって変わるため、適正な後遺障害等級認定を受けることが重要です。
後遺障害逸失利益後遺障害によってそれまで行っていた仕事が今まで通り出来なくなってしまった場合、その後遺障害がなければ得られていたであろう収入等の利益のことを逸失利益として請求することが出来ます。

むち打ち症と後遺障害等級

むち打ち症は、自賠責保険の後遺障害等級認定において、14級9号及び12級13号が適応される場合が多いです。

また、後遺障害に該当しないと判断され、非該当となる場合も稀にあるようです。



12級13号・14級9号の認定基準

自賠責保険では、以下の基準により、むち打ち損傷の等級認定を行います。

等級認定基準認定基準の説明
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの他覚検査により神経系統の障害が証明されるもの
14級9号局部に神経症状を残すもの神経系統の障害が医学的に推定され、説明がつくもの
非該当自賠責基準では、局部に神経症状が残ったとはいえないもの神経系統の障害が医学的のも説明がつかないもの

むちうち症は、客観的医学的証拠が乏しい場合が多いため、各種検査を受診し、症状の一貫性、事故と症状の因果関係の証拠を医学的に説明する必要があります。

優和綜合法律事務所で交通事故の被害者救済

弁護士に依頼する前に

自分が加害者で過失割合が高い場合、弁護士に相談してもかえって経費がかさみ、保険会社の特約だけではカバーできないなど、弁護士に依頼してもトータルで損になります。

また、被害者であっても、過失割合が相手側と同等程度で不利になる場合は、弁護士費用の方が高くつくことになり、結果的に費用倒れになることもあります。


弁護士に相談するメリットがあるケースとしては、自身が被害者で、過失割合が有利な状況にある場合、もしくは後遺障害等級が高い場合であると言えます。

そのため、弁護士に依頼する前には、そのあたりを十分に検討する必要があります。

よく分からない場合は、相談時に費用面について聞いてみることをおすすめします。

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